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封印が県外でできる法的根拠

2017/09/13

(参考)封印が県外でできる法的根拠 ※ナンバープレート再交付

通常、自動車の手続きをした運輸支局に近接する「自動車登録番号標交付代行者」および「封印の取付けの委託を受けた者」からナンバープレートの交付を受け、その場で封印をしてもらうことが一般的です。

しかし、当事務所でも行っておりますが、他県から登録自動車の後ろのナンバープレートの再交付の依頼を受けたケースにおいては、当事務所にてナンバープレートの再発行手続きのみを行い、ナンバープレートを他県の依頼人の元へ送り、封印については、依頼人の最寄りの「封印の取付けの委託を受けた者」から封印の取付を行ってもらうことにより、一連の処理が完了するというような流れになるのが一般的です。要は、封印のために、わざわざ他県から富山運輸支局に車を持ってこなくても良いということですね。

では法律的に、ナンバープレートの交付に関する規定や封印の取り付けに関する規定はどのようになっているのでしょうか。

ナンバープレートの交付に関する規定

  • 道路運送車両法

    (自動車登録番号標の封印等)
    第十一条  自動車の所有者は、前条の規定により自動車登録番号の通知を受けたときは、当該番号を記載した自動車登録番号標を国土交通大臣又は第二十五条の自動車登録番号標交付代行者から交付を受け、国土交通省令で定めるところによりこれを当該自動車に取り付けた上、国土交通大臣(政令で定める離島にあつては、国土交通大臣又は政令で定める市町村の長。以下この条(次項第三号及び第三項を除く。)において同じ。)又は第二十八条の三第一項の規定による委託を受けた者(以下この条において「封印取付受託者」という。)の行う封印の取付けを受けなければならない。

    (自動車登録番号標交付代行者)
    第二十五条  自動車登録番号標を登録自動車の所有者に交付する業を行おうとする者は、事業場ごとに、国土交通大臣の指定を受けなければならない。
    2  前項の指定には、条件又は期限を附し、及びこれを変更することができる。
    3  前項の条件又は期限は、第一項の規定により指定を受けた者(以下「自動車登録番号標交付代行者」という。)が行なう自動車登録番号標の交付が適切に行なわれるために必要とする最小限度のものに限り、かつ、当該自動車登録番号標交付代行者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。

  • 自動車登録番号標交付代行者規則

    (指定)
    第一条  道路運送車両法 (以下「法」という。)第二十五条第一項 の規定による指定(以下「指定」という。)は、自動車登録番号標を交付し、又は返納を受けるべき範囲(以下「業務の範囲」という。)を限定して行う。
    2  前項の規定による限定は、同項の自動車登録番号標に係る登録自動車の使用の本拠の位置の属する区域について、運輸監理部又は運輸支局の管轄区域を特定することにより行う。
    3  地方運輸局長は、前項の規定による外、必要があると認めるときは、同項の登録自動車について自動車の種別等を特定することにより、第一項の規定による限定をすることができる。

上記を読んでみると次のことが分かります。

  1. 国土交通大臣または自動車登録番号標交付代行者から、ナンバープレートの交付を受けること
  2. 自動車登録番号標交付代行者になるには国土交通大臣の指定を受けなければならないこと
  3. 自動車登録番号標交付代行者は、地域を限定して、ナンバープレートの交付・返納業務を行うこと

上記3.の理由により、ナンバープレートの再発行手続きについては、そのナンバープレートの区域を管轄する運輸支局等に対して行わなければならないことになります。

封印の取り付けに関する規定

  • 道路運送車両法

    (自動車登録番号標の封印等)
    第十一条  自動車の所有者は、前条の規定により自動車登録番号の通知を受けたときは、当該番号を記載した自動車登録番号標を国土交通大臣又は第二十五条の自動車登録番号標交付代行者から交付を受け、国土交通省令で定めるところによりこれを当該自動車に取り付けた上、国土交通大臣(政令で定める離島にあつては、国土交通大臣又は政令で定める市町村の長。以下この条(次項第三号及び第三項を除く。)において同じ。)又は第二十八条の三第一項の規定による委託を受けた者(以下この条において「封印取付受託者」という。)の行う封印の取付けを受けなければならない。

    (封印の取付けの委託)
    第二十八条の三  国土交通大臣は、登録自動車に取り付けた自動車登録番号標への封印の取付けを国土交通省令で定める要件を備える者に委託することができる。
    2  第二十六条第一項、第二十八条第一項及び前条第一項の規定は、前項の規定による封印の取付けの委託を受けた者について準用する。この場合において、これらの規定中「自動車登録番号標交付代行者」とあるのは「第二十八条の三第一項の規定による封印の取付けの委託を受けた者」と、「の規定」とあるのは「、第三項及び第五項の規定」と、「自動車登録番号標」とあるのは「封印」と、「交付」とあるのは「取付け」と読み替えるものとする。

上記を読んでみると次のことが分かります。

  1. 国土交通大臣等または封印取付受託者より、封印の取り付けを行ってもらうこと
  2. 国土交通大臣は、封印の取り付けを、国土交通省令で定める要件を備える者に委託することができること

上記を見る限り、ナンバープレートの交付業務のように、地域を限定して封印の取り付けを行わなければならない旨の規定はありません。(道路運送車両法施行規則12条13条に、封印の取付けを行おうとする自動車の範囲を限定して委託を受ける旨の規定はあり)

したがって、封印の取り付けを行う業務については区域の制限はないので、現状のように、他県ナンバーの自動車でも最寄りの封印取付受託者から封印の取り付けを行ってもらうことができるということになるのでしょうね。

また、封印取付け委託要領にも次のような記載があります。

  • 封印取付け委託要領 「委託する業務の範囲」

    1 自動車検査登録事務所のない都道府県の甲種受託者の場合

    「A県の区域に使用の本拠を有する自動車に係る道路運送車両法第11条第1項又は第2項に係る封印の取付け及び全ての自動車に係る道路運送車両法第11条第4項又は第6項に係る封印の取付け

    2 自動車検査登録事務所のある都道府県の甲種受託者の場合

    「A県(A運輸支局B自動車検査登録事務所の管轄区域を除く。)の区域に使用の本拠を有する自動車に係る道路運送車両法第11条第1項又は第2項に係る封印の取付け及び全ての自動車に係る道路運送車両法第11条第4項又は第6項に係る封印の取付け

上記の道路運送車両法11条6項は下記になります。

  • 道路運送車両法 第11条 第5項 第6項

    5 何人も、国土交通大臣若しくは封印取付受託者が取付けをした封印又はこれらの者が封印の取付けをした自動車登録番号標は、これを取り外してはならない。ただし、整備のため特に必要があるときその他の国土交通省令で定めるやむを得ない事由に該当するときは、この限りでない。
    6 前項ただし書の場合において、当該自動車の所有者は、同項ただし書の国土交通省令で定めるやむを得ない事由に該当しなくなつたときは、封印のみを取り外した場合にあつては国土交通大臣又は封印取付受託者の行う封印の取付けを受け、封印の取付けをした自動車登録番号標を取り外した場合にあつては国土交通省令で定めるところにより当該自動車登録番号標を当該自動車に取り付けた上で国土交通大臣又は封印取付受託者の行う封印の取付けを受けなければならない。

上記封印取付け委託要領および道路運送車両法11条5項6項を見てみると、整備等のために封印やナンバープレートを取り外した場合は、地域を限定することなく、すべての自動車に係る封印を甲種受託者は行うことができる旨記載されております。

このことからも、甲種受託者は、事故等で曲がってしまった場合等の整備等のためであれば、他県ナンバーの自動車でもナンバープレートに封印を取り付けることができるということになります。

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