保管場所の位置を調べる方法
車庫証明の申請手続きなどで駐車場等の場所を調べたいときに、まずは、インターネットの地図サイト等を利用して、いろいろ調べたりするのですが、その際に、さまざまな地図サイト等で住所地等を検索しても、その場所(使用の本拠の位置や保管場所の位置等)が正確に出てこない場合があります。
申請者本人が申請する場合は特に問題ありませんが、このような場合で、我々行政書士のような申請者本人以外の者が申請する場合、保管場所(駐車場)等が正確にどこなのかをインターネットを利用して調べることができないので、その結果、手続に必要な所在図や配置図を容易に作成することができないというような場合があります。
では、この場合は、次の段階として、どのようにして場所の位置(使用の本拠の位置や保管場所の位置等)を調べたらよいのでしょうか。それには下記のような方法があります。
下記のような方法を利用するとともに申請者等から話を聞き、その辺りを総合的に踏まえて保管場所の正確な位置を特定していけばよいのではないでしょうか。
標準タイプの地図だけでなく、ストリートビューや航空写真も見る
グーグルマップやヤフー地図等で単純に標準タイプの地図で検索するだけではなく、グーグルマップのストリートビューやグーグルマップ、ヤフー地図の航空写真での閲覧をすることもポイントです。これにより、他の情報(特に配置図)とあわせて、正確な場所を見つけることができる場合があります。
ただし、これにより見つけただけでは、その場所が本当に正しいのかどうかの裏付けとなる根拠が乏しいので、あわせて申請者等に確認するなどの必要はあるかと思います。
航空写真で見る意味としては、標準タイプの地図では単に地図という絵の状態でしか見れませんが、航空写真で見ると、ある程度、申請者等が書いてきた配置図と同じような状態で見ることができる場合があるということです。それと共に、グーグルマップのストリートビューを使い可能な限り現場の近くを見ることにより、ある程度可能性として感じることができるところにまで持って行くことができます。
さらに、航空写真について細かいところまで話を詰めると、グーグルマップとヤフー地図では、どちらかというと、ヤフー地図の方が情報が若干新しいと感じます。というのも、保管場所が新築の自宅だったりする場合、グーグルマップではまだ更地の状態でしか見られない場合であっても、ヤフー地図の場合には建物等が建っている状態で見ることができる場合があります。たとえば、下記画像を見てみましょう。
【グーグルマップ】
【ヤフー地図】
上記画像の赤枠で囲ったところを見てみると、グーグルマップの地図上では何かあるのが見れますが、航空写真では更地になっております。その一方、ヤフー地図の航空写真では、そこに太陽光発電施設があるのが見て取れます。当事務所が実際に現場に見に行った際にも、そこに太陽光発電施設は存在しておりました。
また、グーグルマップのストリートビューと航空写真での関係でいうと、航空写真では何も建っていない状態でしか見られない場合であっても、ストリートビューに切り替えると家等が建っている映像が出てくる場合もあります(実際に、グーグルマップのストリートビューで上記画像の場所を見てみると太陽光発電施設が出てきます。)。したがって、これらをフル活用して見ることが大切になってきます。
ブルーマップ等を利用する
ブルーマップとは、「住所」から不動産登記の「地番」が簡単に分かるようにした地図帳のことです。これは「住宅地図」の上に、登記所備付の「公図」の内容を重ねあわせて印刷したもので、その内容が青色で印刷されているためブルーマップと称されています。
【ブルーマップに記載されている場所の数字の色の意味】
- 青色の数字 ・・・・・ 地番
- 黒色の数字 ・・・・・ 住所(住居表示地区の場合は住居番号。住居表示地区でない場合は番地。)
住所は黒い数字で書いてありますので、まずは、印鑑証明書や住民票に記載されている住所と同一数字の黒い数字を探します。それで見つからない場合で住所に地番が使われている場合(住所が、○番地、○番地(の)○などと表示されている場合)は、次に、その住所と同一数字の青い数字を探します。
(株)刊広社の「メーサイズ」の地図は、富山県内の官公署でもよく利用されており、法務局などには必ず置いてあります。まずは、インターネットの地図サイトを利用して大体の場所を把握しておき、次に、ブルーマップで確認してみましょう。
それでも分からない場合
それでも正確に場所を特定することができない場合は、公の機関が発行する公文書によって確認します。住所の記載によって、2つの方法に分かれます。
- 住所に地番が使われている場合(住居表示地区でない場合)
- 住所表示地区である場合
【1. 住所に地番が使われている場合(住居表示地区でない場合)】
住所が、○番地、○番地(の)○などと表示されている場合は、地番が住所として使われておりますので、地番という情報を管理している法務局で土地の公図を取得します。公図は誰でも取得することができ、特に理由も問われません。
【2. 住所表示地区である場合】
住所が、○○(町)○丁目○番○号などと表示されている場合は、住居表示を管理する市区町村役場の住民・戸籍課等で住居表示台帳を閲覧して調べます。誰でも無料で閲覧することができます(住居表示に関する法律9条2項)が、閲覧目的や身分証明書の提示を求められる場合があります。
上記の方法などを活用して、また、あわせて実際に現場付近に赴く等して、場所の位置について総合的に判断すると良いでしょう。
いきなり実際に現場付近を歩いてみるという手も
上記のような方法を併用しながら、また、もしくは、いきなり実際に現場付近を歩いてみるという手もあります。インターネットの地図サイトで正確な場所がピンポイントで出てこなくても、住所の記載に近い数字(地番)の場所は出てくるはずです。多少数字(地番)が違うだけであれば、特定したい保管場所の位置がその近くであることは相当程度可能性としてはあるはずです。
したがって、その他の情報(配置図や代替車等の情報や、申請者等から聞いた自宅の状況や外観の色等の情報)を頼りに、各家々の表札を見るなどしながら現場付近を歩いてみるのです。そうすると、意外に、正確である可能性の高い場所を見つけることができるものです。
しかし、これにはリスクもあります。それは、必ずしも正確な場所を見つけることができる保証は無いということです。その結果、無駄足に終わり時間やエネルギーを浪費してしまうことや精神的に疲弊してしまうこともあります。したがって、やはり、ある程度は事前に情報を集めた上で現場に出向くというのが大切になってくるでしょう。
余談
- 法務局や富山県内の図書館等には(株)刊広社の「メーサイズ」という住宅地図が基本的には置いてありますが、それには2種類のものがあります。法務局に置いてあるものは「地籍版」といって公図の内容(青色の数字等)も載っておりますが、図書館等に置いてあるものは「普通版」といって公図の内容(青色の数字等)が載っていないものであることが一般的であるように感じます。
- 法務局や図書館等においてある本等を無断でスマートフォン等で撮影したりすると注意される場合がありますので、コピー等が欲しい場合はその旨申し出てみましょう。法務局においてはコピーをとってもらえるかどうかは当事務所としては現在のところ把握しておりませんが、図書館では基本的にはコピーをとってもらえる傾向にあるように感じます。その際は専用の用紙に必要事項を記入しコピー代を支払う等する必要が基本的にはあるように感じます。当事務所近くの四方地区センター内にある小さな図書館では、専用の用紙に必要事項(氏名・住所、本のタイトル、その本の何ページ目を写真に撮るのか)を記入すればスマホ等で写真をとることも認められます。
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