軽自動車の車庫届出は、原則、書類が警察署に届いた時点で手続きは完了します。
届出は、行政庁の側での内容的な要件審査権限のないものであり、形式上の要件(必要な書類がそろっている、記入漏れがない等)が満たされているならば、提出先とされている機関の事務所に到達したときに届出をすべき手続きが完了するのであり、「行政庁が預かる」といったことは許されません。
行政庁が「届出を受け取らない、返礼する」などということも違法です。
- 行政手続法 第37条(届出)
届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の法令に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、当該届出が法令により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする。
- 総務省HP(行政手続法Q&A)
富山県内全域対応。迅速なお手続き。当事務所の車庫証明申請手続きサービスはこちら。 |
(参考) 当事務所が、過去の軽自動車の車庫届出において経験したこと
|
当事務所が、富山県内のある警察署に軽自動車の車庫の届出をしたときのことでした。
車庫の届出に必要な書類がすべて揃っており、特に記入漏れもありませんでしたが、下記の理由により、2週間ほど、「保管場所番号通知書」と「保管場所標章」が交付されなかったことがありました。いわゆる、上記で言う、「行政庁が預かる」ということになっていたのです。
- 理由
保管場所の所有者が、前回の手続き時と異なるので、本人さん(保管場所の所有者)に確認できるまで交付できない。
軽自動車の車庫届出は、登録自動車みたいに自動車の登録手続きに使うものでもないこともあり、そのときは私も何も思わずに警察に言われるがままでした。依頼元(自動車ディーラー)にも事情を説明し、車庫届出手続きが完了するまでしばらく待ってもらうことにしました。
しかし、今思えば、これは警察の違法行為だな・・・
しかし、今思えば、これは警察の違法行為であると考えます。
上記で述べたとおり、届出には行政庁側に要件審査権限はありませんので、必要書類がそろっている、記入漏れがない等の形式上の要件を満たしているならば、手続きは完了したことになります。
したがって、車庫の届出においては、その届出に関する形式上の要件を満たしているならば、その保管場所の所有者が誰なのかということをいちいち確認する必要はないということになります。
法律的な話ではないが・・・、その保管場所の所有者に関する警察の確認も実にアバウトなもの・・・
このときは、結局、2週間ほどたって、「保管場所番号通知書」と「保管場所標章」が交付されたのですが、その保管場所の所有者に関する警察の確認も実にアバウトなものでした。
本人さんと電話による確認が取れたのでOKとのことでした。要は、「自分が所有者です。」ということを言った・聞いたで済む話ということです。こんなんでいいのでしょうか。こんなんでいいなら、なんとでも言える話です。
(本当に確認するのであれば、車庫法12条の規定に基づき、その保管場所に関する不動産の登記事項証明書を提出させるなどということも必要であると考えられますが、このときはされなかった。)
警察に違法的行為をされたうえ、こんな適当な確認をするために手続き完了まで2週間も待たされたとは・・・、また、私もそれについて何も言わなかったとは、なんともお粗末な話でした。次回からは気を付けていきたいです。
その後
平成28年10月3日
この日は富山中央警察署に普通車(登録自動車)の保管場所の変更届出3台を行いました。すると、同日中の午後に富山中央警察署の車庫証明係(メインの方)より電話があり、下記のようなことを言われました。
「今回届出した場所については、記録上では違う方が借りていることになっているので確認する必要がある。」との事。
この電話の際、交付が遅れる可能性があるかどうかということについて直接言われていたかははっきりとは覚えておりませんが、それに関連するような話ではあったと思います。
当事務所的には上記のような解釈がありますので、それを主張したところ、「交付が遅れるというものではない。横倉さんの業務に影響するものではない。特に電話する必要はなかった。」というようなことを言われました。
交付日時等の予定が変わるものでなければ当事務所としても特に問題はありませんので、このときはこれで終わりました。
平成28年11月11日
この日は富山中央警察署に軽自動車の保管場所の届出を行いました。すると、同日のお昼頃に富山中央警察署の車庫証明係(サブの方)より電話があり、下記のようなことを言われました。
「今回の保管場所については『新規』ということで提出されておりますが、この方の名義で、同じ場所(区画)で既に車庫がとられているので、代替ではないか?」との事。
そこで、前回と同じく、当事務所としては上記の解釈を主張したところ、「ご本人さん(申請者)に確認する必要があるので、予定通り交付できるかどうかは分からない。」という答えが返ってきました。
当事務所としては、それでは納得できないので、その後、延々5分間ぐらい電話でのやり取りが続きました。最終的には、「分かりました。それでは、予定通り本日4時過ぎに交付しておきますので取りに来てください。」との事でした。
最終的にはこちらの主張を聞いていただけた形になりましたが、それでも、電話のやりとりが長く、大変困難なものでした。できれば今後はこのようなやりとりをしたくはないと思いましたので、富山県警察的にはどのような取り扱いになっているのか確認するため、平成28年11月13日に富山県警察のホームページから次のような意見を送信しました。
|
翌日、別件の車庫証明を取りに富山中央警察署を伺ったところ、普段は見られない男性の方(50代~60代)が出てきて、車庫証明の窓口のすぐ横にあるパーテションで仕切られた小部屋へ来るよう言われました。「なんで?」と聞いたら、「昨日のメールの件。」ということでした。
それで、昨日送ったメールに関するやりとりが始まりました。まず冒頭、その方の口から出たのが「意味が分からんのだけど」ということでした。「あ~。これは、警察の得意な、法律を無視した高圧的な態度に出るやり方か。これは話になるのか?」と思いながら、「いや、メールしたとおり。」とのみ答えました。
その後、一応、話し合いは10分ほど続きました。途中の部分は省略しますが、最終的には、警察的には、下記のような対応をとらなければならないとのことでした。
「書類を確認する以上、目に見える部分で疑義があるところは確認しなければならない。確認したうえで交付するから、通常の場合よりも交付が遅れる場合があることは承知してほしい。」「確認するやり方が、電話による単なる口頭での確認でも、最低限のことはしなければならない。」との事でした。
別に、当事務所の解釈が絶対に正しい、ということをこちらとしても言っているわけではない(上記意見でも「警察署側のご意見をお聞かせいただければ幸いです。」としている)ので、上記が警察側の処理基準として、こちらとしても今後はこれに沿って業務を行っていきます。
行政手続法第5章(届出)の部分には、一番上で述べた37条の規定があるのみで、別に、書類の内容について確認してはならないという規定や交付までの時間に関する規定があるわけでもないので、違法ではないということでしょう。
コメントはまだありません »
まだコメントはありません。
この投稿へのコメントの RSS フィード TrackBack URI
コメントをどうぞ