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他人所有の保管場所なのに自認書が使用できる場合
車庫証明の申請において、他人が管理または所有する土地・建物を保管場所として申請する場合、通常は「保管場所使用承諾証明書」を添付して申請します。(まれに「賃貸契約書」等を添付して申請を行うケースもあります。)
しかし、下記のように記入することによって、他人が管理または所有する土地・建物を保管場所として申請する場合でも、「自認書」を用いて申請することができます。(※しかし、これは、あとで、間違いだった・・・・・ということになります。理由は下記をご覧ください。)
「申請者」:富山 次郎 「保管場所の所有者」:富山 太郎 の場合
備考欄3に記載のある通り、上記のケースの場合、「※申請者富山次郎は、私の同居の長男です。」と記載してあることによって、他人所有の保管場所であっても、様式としては「自認書」を用いて申請することができます。
これについては、思えば至極当然のことといえます。「今回の申請者は私の長男である富山次郎ですが、今回申請した保管場所は私(富山太郎)の所有で間違いありません。自ら認めます。」という意味を成しています。何の問題も無いように思われます。
(自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則1条2項1号(自動車の保有者が当該申請に係る場所を保管場所として使用する権原を有することを疎明する書面)に規定する要件を満たすような書面に該当しているように思われます。)
車庫証明の申請等に添付する「自認書」「保管場所使用承諾証明書」には、特に様式は定められておりませんので、上記のようなケースもあるということですね。
上記「自認書」は、実際に、当事務所において黒部警察署に車庫証明を申請した際に使用したものでありますが、この案件については、書類の提出時にも審査中にも「自認書」については一切触れられることなく、普通に、スムーズに手続きが完了いたしました。
・・・・・しかし、この話にはまだ続きがあったのです。
平成29年4月 氷見警察署に車庫証明の申請をした時のこと
平成29年4月に栃木県のあるディーラー様から依頼を受けた案件で、上記黒部の案件と同じように、他人(同居の配偶者)の土地を保管場所として申請する場合で「自認書」が添付されている案件がありました。
そこで、当事務所は、上記黒部の案件があったことを思い出し、そのときと同じように、その「自認書」に「※申請者○○○○は、私の同居の配偶者です。」と書き加え、警察署に申請をすることにしました。
過去に、黒部警察署で何の問題もなく車庫証明書が交付されておりますので、このようなケースでも問題のない取り扱いがなされているのだろうと思い、特にそれほど気にすることなく、普段通り申請をいたしました。
ただし、このようなケースは稀であると思われるので、書類の提出時に何か警察の方から言われることを想定して、念のため、黒部で申請した際の書類のコピーを持参し、何か言われた場合は、それを見せて説明する準備だけはしていきました。
しかし、実際は、そんな不安は全く持つ必要がないぐらい、申請時には一切何も言われることもなく、いつも通り、一通り書類がチェックされ、難なく終わっていきました。
「なあんだ・・・・・、やはりこのような取り扱いは普通になされていることなのか。まっ、無事に申請が終わってよかった。」当事務所も安心して、お客様に電話で申請が終わったこと、および、交付予定年月日について連絡をしたのでした。
ところが翌日・・・・・
氷見警察署から電話があり、「提出された『自認書』は使用できないので『承諾書』を提出してください。」とのことを言われました。当事務所は「なんだ今頃になって。この警察官は、このようなケースで『自認書』が使用できることを知らないのか。やはり、このように、手続きについて知らない警察官もいるんだな・・・・・」と思いながら、上記黒部であった案件の話をいたしました。
それを受けて、その警察官は、「その黒部の案件も含め、このようなケースで『自認書』が使用できるかどうかを再度確認しますので、また折り返し連絡をします。」と言われました。その後、当事務所としても、追加の情報を提供すべく、2~3度、電話のやりとりをいたしました。
そして、最初の電話から3~4時間たった時のこと。氷見警察署の別の方から電話があり、「以前、黒部で手続きした、他人の土地に『自認書』を使用したケースにおいては、黒部警察署が間違った対応をしておりました。」とのことでした。一般原則通り、家族も含めて他人の土地を申請する場合は「承諾書」を使用して申請することになっている旨を言われました。「黒部警察署および富山県警本部を含めて確認しました。黒部警察署の方には指導をいたしました。」とのことでした。
当事務所としても、富山県全体として、そのような取り扱いをしている、ということであれば、それ以上何も言うことはありません。上記の黒部の案件については、黒部警察署が誤った対応をとったことによって、ただ何事もなく手続が完了したということだったのです。
今回の氷見の案件に関しては、過去の黒部警察署の誤った対応もあってのことか、氷見警察署の方もスムーズに手続きを進める配慮をしていただき、今回提出した「自認書」を下記のように行政書士の職印で訂正(「自認書」→「承諾書」)することにより、当初の交付予定日に、車庫証明書を交付してもらうことができました。
ただし、この対応は今回だけのいわゆる特別な措置であり、今後、同様のケースの場合に同じように訂正すればスムーズに事が運ぶということではないとのことでした。
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