軽自動車の車検証の住所の記載について、使用者等の住所が集合住宅の場合、今までは、番地まで記載するのが必須で、棟番号や部屋番号の記載は任意でしたが、平成30年1月4日以降の手続き分から、棟番号や部屋番号を必ず記載するようにしなければならなくなりました。
したがって、平成30年1月4日以降の手続き分から、使用者等の住所が集合住宅の場合、申請書(OCRシート)に集合住宅の棟番号と部屋番号を必ず記入して申請等をしなければなりません。なお、団地名、マンション名等は記入する必要はありません。
※軽自動車検査協会 資料
団地、マンション等集合住宅の棟番号及び部屋番号の⾞検証への記載について
一方、登録自動車の場合は・・・
軽自動車の手続きについては、上記のようになりましたが、登録自動車の手続きについては、現在のところ、上記のようなルールはありません。平成30年4月頃に、当事務所が富山運輸支局の窓口にて確認した際にも、そのような答えが返ってきました。
したがって、登録自動車の手続きにおいては、使用者等が集合住宅に住んでいる場合でも、現時点では、棟番号、部屋番号の申請書(OCRシート)への記入は任意なんですが、やはり、上記の軽自動車の流れを受けてか、富山運輸支局の窓口においても、申請書(OCRシート)へ棟番号、部屋番号を記入することを推奨するような流れにはあるのかなと感じます。
当事務所が最近手続きをした際にも、当事務所としては、申請書(OCRシート)へ棟番号、部屋番号を記入していないのに、「棟番号、部屋番号を追記させていただきますね。」等と言われたり、もしくは、何も言われないまま、交付された車検証を見てみると、勝手に棟番号や部屋番号が記載されていたりするからです。
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車検証に棟番号や部屋番号が記入されていないことのメリットも・・・
登録自動車の車検証に棟番号や部屋番号が記入されていないことによって、メリットを受ける場合もあります。たとえば、車検証の使用の本拠の位置欄の記載が下記のようになっている場合です。
- 富山県富山市つばめ野382
住所は仮ですが、場所は集合住宅で、住民票等には棟番号と部屋番号の記載があるとします。ただし、車検証には、上記のように番地までの記載しかないという設定です。
たとえば、この車を家族間で譲渡するとします(夫から妻へ名義変更)。家族間といえども、他の人に名義が移るので、富山運輸支局で移転登録の手続きを行う必要があります。さらなる設定で、夫がこの車を取得したときは、上記の住所内の集合住宅のA-1という部屋に住んでいたとします。
その後、一度、この集合住宅内の別の部屋(D-1)に引っ越していたとします。したがって、今回、名義変更して新しい所有者になる妻はD-1に住んでいることになります。印鑑証明書等にもそのように記載されております。
この車を名義変更するにあたり、車検証の記載が上記のように番地までの記載になっていることによって受けるメリットとは、使用の本拠の位置が変わらないので、車庫証明書の添付を省略することができるという点です。
富山運輸支局の窓口で聞いた話では、この場合、仮に車検証の使用の本拠の位置欄の記載が、夫がこの車を取得した時点の住所のすべての記載である「富山県富山市つばめ野382-A-1」となっていた場合には、現在の妻の住所である「富山県富山市つばめ野382-D-1」と違うので、別途、車庫証明が必要になるとのことでした。
このように、あいまいなまま(車検証の記載は番地まで)にしておいた方が、時にはメリットを受ける場合もあるということですが、上記の軽自動車の制度改正の目的である、リコール等の郵便物をしっかりと使用者等に届くようにするということも考慮すると、できるだけ、車検証に棟番号や部屋番号まで記載するようにした方がよいのではないかとも感じます。
旧所有者の書類を減らせるというメリットも・・・
上記の場合、旧所有者である夫は、車の取得時から一度引っ越しをしているので(A-1→D-1)、たとえば、車検証に記載されている使用の本拠の位置が「富山県富山市つばめ野382-A-1」となっていた場合には、旧所有者である夫の必要書類として、夫の住民票等(夫の住所のつながりが証明できる書類)が必要になりました。
しかし、車検証の使用の本拠の位置の記載が「富山県富山市つばめ野382」であれば、棟番号や部屋番号は問題にはなりませんので、夫の住民票等は不要ということになります。