車庫証明の申請において、申請しようとする駐車場(自動車の保管場所)を借りている場合、その場所の所有者もしくは管理者に、その場所を保管場所として申請することについての承諾書(保管場所使用承諾証明書)を発行してもらい、申請書に添付して申請することが一般的です。
その一方で、その駐車場(もしくはアパート・マンション等)を借りた際に不動産業者等と交わした賃貸契約書(コピー可)を、承諾書の代わりに申請書に添付して申請することも可能です。
ただし、無条件にすべての賃貸契約書を車庫証明の申請に使用することができるというわけではなく、それには一定の事項が賃貸契約書に記載されている必要があります。
基本的な考え方
車庫証明の申請に賃貸契約書を使用することができるかどうかは、その賃貸契約書に、一般的に承諾書に記入する事項がすべて記載されていれば、通常、その賃貸契約書は車庫証明の申請に使用することができると考えられます。
したがって、一般的には、賃貸契約書に下記事項が記載されていることが必要です。
- 駐車場の所在地(および駐車スペースに区画番号がある場合は区画番号も)
- 賃借人の氏名(車庫証明申請における申請者)
※住所については、賃貸契約を交わす際の住所(現在の住所の一つ前の住所)が記載されていることが通常ですので、特に問われません。 - 契約期間
- 契約日(契約書作成日)
- 管理会社の所在地・名称・代表者の役職および氏名、押印
賃借人と申請者が異なる場合
賃借人と申請者が異なる場合は、賃貸契約書には申請者の氏名は通常載っていないことが想定されます。たとえば、会社名義で駐車場を借りていて(賃借人は会社)、その場所を会社の従業員(申請者)が車庫として申請する場合等です。
この場合は、一般的に賃貸契約書には従業員(申請者)の氏名が載っていないので、賃貸契約書のみでは車庫証明の申請に使用することはできませんが、その他の書類と組み合わせることにより、賃貸契約書を承諾書の代わりに使用できる場合があります。
使用上の注意点
ただし、一見、上記事項がすべて記載されていたとしても、注意しなければならない点もあります。たとえば、賃貸契約書が主に建物に関する事項を記載したもの(賃貸契約書の標題も「建物賃貸借契約書」等となっている)の場合です。
たとえばこの場合、その賃貸契約書には建物に関する所在地のみが記載されていて、駐車場の所在地がはっきりしない場合があります。※車庫証明の申請においては、駐車場の所在地が必要
建物に関する事項とあわせて駐車場に関する記載もあり、その建物の所在地に駐車場もあることを読み取ることができれば、その賃貸契約書は使用することが可能ですが、そうでない場合は、建物とは別の場所に駐車場があるのでは?とも考えられるため、駐車場の所在地がはっきりとしないということで、その賃貸契約書は車庫証明の申請に使用することができないということになります。
同一の県内でも警察署によって判断が異なる場合がありますので、必要に応じて、事前に警察署に電話等で確認するようにしましょう。
実際に使用した契約書例
大東建物管理(株)の賃貸契約書
大東建物管理(株)の賃貸契約書は、これまでに富山中央警察署や富山南警察署等で使用しておりますが、基本的には車庫証明の申請に使用できる体裁は整っております。コピーでOKなので、原本はA3サイズであったと思いますが、それをA4サイズ等にコピーしても使用できます。また、下記様式のほかに、契約の内容については表面に記載され、条項については裏面に記載されている様式のものもあります。
①
駐車場(保管場所の位置)に関しての記載があります。「区画」欄を見てみると、「上記(1)賃貸借の目的物の所在地と相違する区画のみ記載」とあります。言い換えると、この欄の上部に記載されている建物の所在地と異なる場合にのみ、駐車場(保管場所の位置)の所在地に関する具体的記載があるということになります。したがって、この場合は、駐車場(保管場所の位置)の所在地は建物の所在地と同じということになります。
ちなみに、建物の所在地が行政区名(通称町名)で記載されていても、特に問題はありません。(※印鑑証明書等は公称町名で記載される)
②
上記2か所に賃借人(車庫証明申請における申請者)に関する記載があります。
③
契約期間に関する記載があります。
④
契約日(契約書作成日)に関する記載があります。
⑤
管理会社の所在地・名称・代表者の役職および氏名に関する記載、押印があります。
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